ぜんぜんは元々「100%である」という意味だということで、1955年初版の「広辞苑」には「全く。すべて。まるで」という意味しか書かれていませんでした。
ところが、1969年の第二版になると突然、「下に否定の語を伴って、全く。まるで」となります。
1983年の第三版以降は「(俗な用法として肯定的にも使う)完全に。非常に」と、注釈とともに書き加えられたそう。
その結果、どちらにも解釈されてしまうというややこしい事態に。「この制服あんまり似合ってないでしょ?」と聞かれて、「ぜんぜん(似合ってるよ)」と言うなど、相手の不安を和らげたい配慮の気持ち、思いやりをぜんぜんに込める場合も出てきました。